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医療保険・がん保険・個人年金保険は、多くの人にとって基本的に不要です。公的保障と貯蓄でカバーできる範囲を整理し、不要な保険を見分ける5つの基準を解説します。
「社会人になったら保険に入るもの」「万が一のために備えておくべき」。 こうした言葉に後押しされて、よく理解しないまま保険に加入した経験はないでしょうか。
実際、生命保険文化センターの調査によると、日本人の約8割が何らかの生命保険に加入しています。 しかし、その中には 公的保障や貯蓄で十分にカバーできるリスクに対して、毎月数千円〜1万円以上の保険料を支払い続けている ケースが少なくありません。
月5,000円の保険料でも、年間で6万円、10年で60万円です。 この金額を貯蓄や投資に回していたら、どれだけ資産が増えていたでしょうか。
この記事では、不要な保険を見分ける5つの基準と、解約しても生活に困らない理由を具体的に解説します。
保険料は毎月自動で引き落とされるため、「払っている実感」が薄くなりがちです。 しかし、不要な保険を放置したままにすると、長期的に見て大きな機会損失になります。
不要な保険に月5,000円を払い続けた場合の累計額を見てみましょう。
| 期間 | 保険料の累計 | NISAで運用した場合(年利5%想定) |
|---|---|---|
| 5年 | 30万円 | 約34万円 |
| 10年 | 60万円 | 約78万円 |
| 20年 | 120万円 | 約205万円 |
| 30年 | 180万円 | 約416万円 |
月5,000円を30年間NISAで運用した場合と比べると、差額は約236万円 にもなります。 不要な保険に入り続けることは、ただお金を失うだけでなく、そのお金が増える機会まで失っていることになります。
「せっかくここまで払ったから、途中で解約するのはもったいない」という心理は自然なものです。 しかし、すでに支払った保険料は戻ってきません。これは経済学でいう「サンクコスト(埋没費用)」です。
大事なのは 「今後いくら払い続けるか」 のほうです。 解約すれば、明日から保険料がゼロになり、浮いたお金を自由に使えます。
以下の5つの基準に当てはまる保険は、解約を検討して問題ありません。 すべてに当てはまる必要はなく、1つでも該当すれば「不要の可能性が高い」と判断できます。
このチェックリストで1つでも当てはまる保険があれば、具体的に見直してみる価値があります。
5つの判断基準をふまえて、多くの人にとって基本的に不要な保険を3つ解説します。
医療保険が不要な最大の理由は、日本の健康保険制度がすでに手厚いから です。
高額療養費制度を使えば、1か月の医療費の自己負担には上限があります。
| 年収の目安 | 自己負担の月額上限(概算) |
|---|---|
| 〜370万円 | 約57,600円 |
| 370万〜770万円 | 約80,100円 |
| 770万〜1,160万円 | 約167,400円 |
つまり、入院・手術で医療費が100万円かかっても、自己負担は月8万円程度で済みます。
一方、医療保険の月額保険料が3,000円の場合、年間36,000円を支払っています。 入院日額5,000円の保障を受けるには、年間7日以上の入院が必要です。 厚生労働省の調査では、平均入院日数は約30日ですが、入院する確率自体が低いため、多くの場合は掛け捨てで終わります。
貯蓄が100万円以上あれば、医療保険は不要 です。 その保険料を貯蓄に回すほうが、あらゆるリスクに柔軟に対応できます。
がん保険も医療保険と同じ理由で、基本的に不要です。
がんの治療費も高額療養費制度の対象であり、自己負担には上限があります。 「がんは治療費が高い」というイメージがありますが、保険適用の治療であれば月8万円程度が上限です。
よく話題になる先進医療(重粒子線治療など)は確かに高額ですが、先進医療が適用されるケースは限定的です。 先進医療の年間実施件数は全国で数千件程度であり、すべてのがん患者に当てはまるわけではありません。
がんへの備えは、貯蓄100万円+高額療養費制度で十分対応可能 です。 月々のがん保険料を貯蓄に回すほうが、がんだけでなくあらゆる病気・ケガに対応できます。
個人年金保険は「老後の備え」として加入する人が多いですが、資産形成の手段としては効率が悪いです。
| 比較項目 | 個人年金保険 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|---|
| 期待利回り | 0.5〜1.0%程度 | 年3〜7%(投資信託) | 年3〜7%(投資信託) |
| 税制優遇 | 年間最大4万円の控除 | 運用益が非課税 | 掛金が全額所得控除 |
| 流動性 | 途中解約で元本割れ | いつでも引き出せる | 60歳まで引き出し不可 |
| 手数料 | 高い(保険会社の運営コスト含む) | 低コスト商品が多い | 低コスト商品が多い |
個人年金保険の利回り0.5〜1.0%は、NISAやiDeCoで低コストの投資信託を運用した場合の期待リターン(年3〜7%)と比べると大きく劣ります。 しかも個人年金保険は途中解約すると元本割れするため、柔軟性にも欠けます。
老後資金の準備には、NISAやiDeCoを使うほうが合理的 です。 すでに個人年金保険に加入している場合は、解約してNISA・iDeCoに切り替えることを検討してください。
不要な保険がわかったところで、逆に「必要な保険」も明確にしておきましょう。 基本的に必要な保険は 2つだけ です。
自動車事故の賠償額は 数千万円〜数億円 に達することがあり、貯蓄では到底対応できません。 公的保障でもカバーされないため、車を持つなら対人・対物賠償は無制限で加入してください。
車両保険については、車の価値と保険料のバランスで判断します。 購入から5年以上経った車であれば、車両保険を外して保険料を下げるのも合理的です。
火災・水害・風害で住宅が全壊した場合、修繕・再建費用は数百万〜数千万円になります。 賃貸の場合も、大家への損害賠償責任があるため加入が必要です。 持ち家の方は地震保険の付帯も検討してください。
| 保険の種類 | 必要になる状況 |
|---|---|
| 掛け捨て定期保険(死亡保障) | 配偶者や子どもなど、養う家族がいる場合 |
| 就業不能保険 | 自営業・フリーランスで傷病手当金がない場合 |
独身の方は、自動車保険と火災保険だけで十分です。 家族構成が変わったタイミングで、必要に応じて追加を検討すればよいでしょう。
不要な保険を特定したら解約に進みますが、その前に以下の3点を確認しておきましょう。
保険を解約する前提として、生活費の3〜6か月分の貯蓄 があることが重要です。 貯蓄がまだ少ない場合は、まず貯蓄を優先し、貯まったら改めて解約を検討してください。
貯蓄が少ないうちは、保障内容を最低限に見直して保険料を下げるだけでも効果があります。
既往症がある場合、一度解約すると新しい保険に加入できない可能性があります。 「今の保険を解約しても、別の保険に入り直せるか」を事前に確認してください。 不安な場合は、かかりつけ医や自治体の相談窓口に相談するのも手です。
貯蓄型の保険(終身保険・養老保険・個人年金保険など)を途中解約する場合、解約返戻金が払い込み額より少ないことがあります。
しかし、前述のとおり、これはサンクコストです。 「今後支払う保険料の合計」と「解約返戻金+浮いたお金を運用した場合の金額」を比較 して判断してください。 多くの場合、早めに解約して浮いた分を投資に回すほうが長期的に有利です。
迷う場合は「払済保険」に変更する方法もあります。 払済保険にすれば、以降の保険料支払いを止めたまま、これまでに積み立てた分の保障を残せます。
「1つも入らない」のではなく、必要な保険だけに絞る という考え方です。 自動車保険と火災保険は必要です。 それ以外は、公的保障と貯蓄でカバーできるケースがほとんどです。
家族がいる場合は、一方的に解約すると意見が割れることがあります。 公的保障の仕組みを一緒に確認し、「浮いたお金をNISAや貯蓄に回す」という具体的な代替案をセットで提案すると理解を得やすくなります。 いきなり全部解約せず、まず1つだけ解約して様子を見るのも良い方法です。
多くの保険会社はマイページからオンラインで解約申請ができます。 オンライン対応していない場合はコールセンターに電話し、送られてくる書類に記入して返送するだけです。 1件あたり15〜30分もあれば終わります。
会社の団体保険は保険料が安いことが多いですが、「安いから入っておく」ではなく、そもそも必要な保障かどうかで判断してください。 不要な保険であれば、安くても不要です。 5つの判断基準に照らし合わせて、1つずつチェックしてみましょう。
不要な保険がわかったら、具体的な行動に移りましょう。 以下の記事を参考に、保険の見直しを進めてみてください。
保険の棚卸しから解約判断まで、約30分で完了します