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健康保険・傷病手当金・遺族年金・障害年金・雇用保険の5つの公的保障がカバーする範囲を整理しました。追加の民間保険が不要なケースと、本当に必要な保険の見極め方がわかります。
「保険に入っていないと不安」と感じる人は多いですが、実は日本で働いている人は、すでに手厚い公的保障に守られています。
健康保険・傷病手当金・遺族年金・障害年金・雇用保険の5つの制度を合わせると、病気・ケガ・死亡・障害・失業というほぼすべての「人生が詰むリスク」に対して、一定の保障がある のが日本の社会保険制度です。
この記事では、5つの公的保障がそれぞれ何をカバーしているかを一覧表で整理します。 読み終わるころには「追加の民間保険が本当に必要か」を自分で判断できるようになります。
| 公的保障 | カバーするリスク | ひとことまとめ |
|---|---|---|
| 健康保険(高額療養費) | 病気・ケガの医療費 | 月の自己負担に上限あり(約8万円) |
| 傷病手当金 | 働けない期間の生活費 | 給与の約2/3を最長1年6か月 |
| 遺族年金 | 一家の稼ぎ手の死亡 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 |
| 障害年金 | 障害を負った場合の生活費 | 等級に応じて年金を継続支給 |
| 雇用保険 | 失業時の生活費 | 給与の50〜80%を一定期間支給 |
結論として、多くの人にとって「追加の民間保険」はほとんど不要です。 必要なのは、公的保障ではカバーされない自動車保険(対人・対物)と火災保険、そして扶養家族がいる場合の掛け捨て生命保険くらいです。
「入院したら何十万円もかかるのでは」と心配する人がいますが、日本の健康保険には 高額療養費制度 があります。 これは、1か月の医療費の自己負担額に上限を設ける仕組みです。
| 年収の目安(70歳未満) | 月額の自己負担上限(概算) |
|---|---|
| 〜約370万円 | 約57,600円 |
| 約370万〜約770万円 | 約80,100円 |
| 約770万〜約1,160万円 | 約167,400円 |
| 約1,160万円〜 | 約252,600円 |
たとえば年収500万円の会社員が入院・手術で医療費が100万円かかったとしても、自己負担は 月8万円程度 で収まります。 さらに、直近12か月で3回以上この制度を利用すると「多数回該当」となり、上限額がさらに引き下げられます。
すべてが無制限にカバーされるわけではありません。以下は自己負担になります。
ただし、先進医療が必要になるケースは限定的であり、差額ベッド代は大部屋を選べば発生しません。
月8万円程度の貯蓄があれば、医療保険なしでも医療費リスクに対応できます。 入院日額5,000円の医療保険に月3,000円払い続けるより、同じ金額を貯蓄に回すほうが柔軟性が高く合理的です。
「病気やケガで長期間働けなくなったらどうしよう」という不安を抱える人は少なくありません。 しかし、会社員・公務員であれば 傷病手当金 が使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 健康保険に加入している人(会社員・公務員) |
| 支給条件 | 病気・ケガで連続3日以上仕事を休み、4日目以降の休業 |
| 支給額 | 標準報酬日額の 約2/3 |
| 支給期間 | 最長1年6か月(通算) |
月収30万円の人なら、月約20万円が最長1年半もらえる計算です。 さらに、傷病手当金を受給している間も健康保険は継続するため、医療費の自己負担上限も維持されます。
国民健康保険には傷病手当金の制度がありません。 自営業・フリーランスの方は、公的保障だけでは「働けない期間の収入ゼロ」になるリスクがあります。 このケースでは、民間の就業不能保険や所得補償保険を検討する意味があります。
年金加入者が亡くなった場合、遺された家族に支給されるのが遺族年金です。 「自分に万が一のことがあったら、家族が路頭に迷うのでは」と生命保険を手厚くしている人がいますが、まず遺族年金でどの程度カバーされるかを確認しましょう。
| 種類 | 対象者 | 支給額の目安(年額) |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 子のいる配偶者、または子 | 約81万円+子の加算(1人あたり約23万円) |
| 遺族厚生年金 | 会社員・公務員の遺族 | 報酬に応じて計算(平均月収30万円で年約35万〜40万円) |
たとえば、平均月収30万円の会社員が亡くなり、配偶者と子ども1人が残された場合は以下のようになります。
もちろん、これだけで生活費すべてをまかなうのは難しいかもしれません。 しかし、配偶者が働くことで得られる収入と合わせれば、生命保険で何千万円もの保障を持つ必要はない ケースが多いです。
独身で扶養家族がいない場合、自分が亡くなっても経済的に困る人がいません。 そのため、独身者に生命保険は基本的に不要 です。
障害年金は、病気やケガで一定の障害状態になった場合に支給される年金です。 あまり知られていませんが、実はかなり手厚い制度です。
| 等級 | 障害基礎年金(年額) | 障害厚生年金(加算分) |
|---|---|---|
| 1級 | 約102万円 | 報酬比例の年金額 x 1.25 |
| 2級 | 約82万円 | 報酬比例の年金額 |
| 3級(厚生年金のみ) | なし | 報酬比例の年金額(最低保障あり) |
会社員であれば障害基礎年金+障害厚生年金の両方が受け取れるため、障害1〜2級であれば年100万円以上の保障 があります。 さらに、障害の状態が続く限り支給されるため、民間の障害保険と比べても手厚いといえます。
「障害」というと身体障害をイメージしがちですが、実はうつ病や統合失調症などの精神疾患、糖尿病やがんなどの内部疾患も対象に含まれます。
| 対象となる例 | 具体的な病気・状態 |
|---|---|
| 身体障害 | 手足の切断、視覚障害、聴覚障害など |
| 精神障害 | うつ病、双極性障害、統合失調症など |
| 内部障害 | 心臓疾患、腎疾患、がん、糖尿病の合併症など |
「自分が障害を負ったらどうしよう」という不安に対しては、まず障害年金でカバーされる範囲を確認してから、不足分だけ民間保険で検討するのが合理的です。
会社を辞めた場合や、会社都合で解雇された場合に受け取れるのが雇用保険の失業給付(基本手当)です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 雇用保険に加入している人(通常の会社員) |
| 支給額 | 離職前の賃金日額の 50〜80%(年齢・賃金で変動) |
| 支給日数 | 90〜330日(離職理由・年齢・被保険者期間で異なる) |
| 待機期間 | 自己都合退職の場合は7日+2か月の給付制限あり |
たとえば月収30万円で自己都合退職した場合、1日あたり約5,000〜6,000円の給付を90〜150日間受け取れます。
失業時に無収入になるのを防ぐ仕組みなので、「仕事を辞めたら生活できなくなる」というリスクについては、雇用保険がある程度カバーしてくれます。
ただし、雇用保険だけでは生活費の全額をまかなえるわけではありません。 失業に備えるなら、生活費3〜6か月分の生活防衛資金を貯蓄しておくのが基本です。
ここまでの内容を、「自分に必要な民間保険を判断する」ためのチェックリストとしてまとめます。
| リスク | 公的保障 | カバー内容 | 自己負担の目安 | 民間保険の必要性 |
|---|---|---|---|---|
| 病気・ケガの医療費 | 高額療養費制度 | 月の自己負担に上限 | 月約8万円(年収370〜770万円の場合) | 基本不要 |
| 働けない期間 | 傷病手当金 | 給与の約2/3、最長1年6か月 | 給与の約1/3が減収 | 会社員は基本不要 |
| 一家の稼ぎ手の死亡 | 遺族年金 | 遺族基礎年金+遺族厚生年金 | 不足分は家庭ごとに異なる | 扶養家族がいれば検討 |
| 障害 | 障害年金 | 等級に応じた年金を継続支給 | 障害の程度による | 多くの場合は不要 |
| 失業 | 雇用保険 | 給与の50〜80%を一定期間 | 給付額だけでは不足の場合あり | 不要(貯蓄で備える) |
| 交通事故の賠償 | なし | なし | 数千万〜数億円の可能性 | 必要 |
| 住宅の火災・水害 | なし | なし | 数百万〜数千万円の可能性 | 必要 |
この記事では、日本の5つの公的保障がカバーする範囲を整理しました。
振り返ると、ポイントは3つです。
公的保障の中身を知るだけで、「なんとなく不安だから保険に入っておこう」という判断を避けられます。 不要な保険を整理すれば、月数千円〜1万円以上のお金が浮き、そのお金を貯蓄や投資に回せます。
公的保障の全体像がわかったら、次は実際に保険の見直しに進みましょう。
公的保障で足りない部分だけ残し、不要な保険を整理する手順へ